「固定費は「削れば楽になる」と思っていた
物価は上がり、電気代も上がり、食費も上がる。
それなのに、子育てが始まると在宅時間は増え、ミルク・離乳食・パウチなど
“避けられない出費” まで一気に増える。
育休に入れば収入も下がる。
——こうなると、まず考えるのが「固定費の見直し」です。
しかし実際に家計簿と向き合ってみると、こう思いました。
“あれ、うちってこんなに削れる場所がないの…?”
住宅費、保育料、食費、電気代……
子育て家庭は、そもそも「削れる固定費」が圧倒的に少ない構造です。
この記事では、
1歳児を育てながら実際に固定費を見直した筆者の経験をもとに、
・どこは下げられて
・どこは絶対に下がらず
・どうすれば家計を整えられるのか
を“実録ベース”で整理します。
■ 1. 子育て家庭では、固定費が“増える構造”になっている
✔ エアコンは24時間ではないが、育児で電気代は確実に上がる
我が家の場合:
- 夏と冬は「寝るとき」は必ずエアコン
- 昼間は気温が落ち着いていればつけない
- それでも在宅時間が増えるので電気代は上昇する一方
- 太陽光と蓄電池があっても“乳児期は電力を使う”
つまり、
電気代は節約対象ではなく“生活インフラ費用” と割り切る必要があります。
✔ 食費は“ミルク・パウチ・時間コスト”まで含んだ複合費目
子育て家庭の食費は「食べ物の費用」ではありません。
我が家の例:
- ミルクは毎日必須
- パウチは忙しい家庭の生命線
- 手づかみ食べで床・椅子・机の掃除が毎回発生
- 娘はよく食べるタイプで、白米150g完食の日も
(※これはあくまで“我が家のケース”)
“離乳食=食材費+時短費+掃除の手間”の複合費用なので、
節約など簡単にできる話ではありません。
✔ 保育料は完全に固定費化する
都市部では認可外に預ける期間もあり、
補助を受けても「一定額が毎月固定」で発生します。
さらに、東京都以外は
- 第一子の保育料が無償にならない
- 早めに入園すると「保育料のために働く」時期がある
という構造的問題を抱えています。
✔ 育休に入ると、収入は“二段階”で下がる(実録)
我が家の妻の手取りはこう変化しました👇
- 通常勤務:32万円
- 育休開始〜半年:29万円(育休給付金67%)
- 半年経過後:20万円(育休給付金50%)
半年を境に訪れる
“第二の急落” が家計に強烈に効きます。
この段階で、
「固定費の重さ」が一気にのしかかってきました。
これは努力や節約の問題ではなく、
制度上避けられない構造的な現象です。
■ 2. 我が家の固定費(実録)
| 項目 | 実情 | 削減可否 |
|---|---|---|
| 住宅ローン(変動) | 支払額は当面固定だが、将来は上がりうる | × |
| 電気代 | 育児+季節要因で上昇傾向 | × |
| ガス・水道 | 子育てで使用量増 | × |
| 食費 | ミルク・パウチ・時間コスト含む複合費 | × |
| 保育料 | 補助ありでも毎月固定 | △ |
| 通信(ahamo) | すでに最適化済み。これ以上下げる意味なし | ○(だが必要ない) |
| サブスク | 最も削れるが効果は小 | ○ |
→ 結論
子育て家庭は「削れる固定費」が圧倒的に少ない。
ここが多くの家庭が苦しむ本質です。
■ 3. 固定費を削っても“たかが知れている”
一般的に言われる節約術では、
家計はほとんど改善しません。
- サブスク → 数百円〜数千円
- 通信費 → すでに最適化済み
- 電気代 → 乳児家庭では削れない
- 食費 → 必要なものは必要
- 住宅ローン → 動かない
- 保育料 → 固定費
固定費削減は、頑張っても
**“実質数千円の改善にしかならない”**ケースがほとんどです。
これは家庭の努力不足ではなく、
子育て期が「固定費の増加を避けられない時期」だから。
■ 4. 住宅ローンは“削れない上に、上振れもありうる”固定費
これも非常に重要です。
多くの家庭は変動金利を選んでいます。
そのため:
- 毎月の支払い額は当面変わらない
- しかし金利次第では将来的に増える可能性がある
つまり住宅ローンは、
✔ 削れない
✔ そして、上がることはあっても下がらない
という “二重の固定費リスク” を持っています。
子育て家庭の住宅費が重く感じるのは当然なのです。
■ 5. 真に家計を守るのは「制度のフル活用」
児童手当の増額が話題になりましたが、
正直なところ、あれだけでは生活はまったく軽くなりません。
都市部の子育て家庭にとって効くのは:
- 認可外保育の補助
- ベビーシッター助成
- 医療費助成
- 育休給付金(67% → 50%)
- 時短勤務給付金
- 3歳〜保育園無償化
などの“制度”です。
節約ではなく、
制度を使い倒すことで家計の負担が実質的に軽くなる。
ここが一番のポイントです。
■ 6. 「育休〜復帰までは耐え忍ぶ時期」と割り切る
育休に入ってしばらくは、
本当に家計もメンタルも厳しいです。
- 手取りは下がる
- 保育料はかかる
- 食費や電気代は上がる
- 睡眠不足で判断力も低下
- 時間コストが激増
これは家庭のせいではなく、
社会構造的に“耐え忍ぶ時期”だから。
しかし、ここで働くことを諦めてしまうと
女性側のキャリアに深刻な影響が出ます。
■ 7. キャリアをつなぐ価値は“後で取り戻せる差”になる
保育料が高くても、
“保育園のために働いているだけ”に見える時期があります。
しかしここでキャリアを諦めると:
- 年収テーブルから外れる
- スキルが断絶する
- 復職時に年収差が大きくなる
- 昇格スピードが遅れる
など、子どもが成長したあとに
**“取り返しのつかないキャリア格差”**が生まれることがあります。
だからこそ、
✔ 保育料を払いながらでもつないで働く価値は大きい
✔ ダブルインカムが復活する時期は必ず来る
✔ 長期で見ると圧倒的にプラスになる
これは、短期の家計ではなく、
長期の“家族経済”を守る戦略です。
■ 8. 【結論】固定費は削る時代ではなく、“整える”時代
子育て家庭の固定費は、
- 削れない
- 増える
- そして上振れもある(住宅)
そんな中で生き抜く方法はひとつ。
✔ 削るのではなく“整える”
です。
▼ 整えるためにやるべきこと
- 制度をフル活用
- 時間の固定費(家事・掃除)を外注で消す
- ミールキットやパウチを活用し睡眠を守る
- 住宅・保育は“下がらない前提”で設計
- キャリアはつないでおく(長期で家計が爆発的に安定する)
■ まとめ|子育て家庭は「固定費が下がらない」のが当たり前
節約しても数千円。
本質はそこではありません。
・制度
・時間
・キャリア
・生活の構造そのもの
これらを整えていくことこそ、
インフレ時代の子育て家庭が生き抜くための
“本当の固定費戦略”です。

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