産後の妻が怒りやすいのはなぜ?パパが知っておくべきこと
はじめに
出産を終えた妻と過ごしていると「ちょっとしたことで怒られる」「感情の起伏が激しい」と感じたパパも多いのではないでしょうか。私自身、義実家で育休を過ごした1か月間に、何度も「何でそんなことで怒るの?」と思う瞬間がありました。
でも、それには理由があります。この記事では、産後の妻が怒りやすくなる背景と、パパが知っておくべきことを体験談を交えてまとめます。
出産は「交通事故レベルのダメージ」
まず理解しておきたいのは、出産は医学的にも「交通事故で全治1か月」と例えられるほど体に大きなダメージがあるということです。実際には「産褥期」と呼ばれる回復期間があり、およそ6〜8週間(約2か月)かけて子宮やホルモンが元の状態に戻っていきます。
つまり「交通事故で全治1か月」という表現は比喩としてよく使われますが、医学的には2か月ほどかかるのが実際です。産後の体はまだ回復していないのに、赤ちゃんのお世話が24時間待ったなしで始まります。睡眠不足・体の痛み・ホルモンの変化…これらが重なれば、心身が限界に近いのは当然です。
ホルモンバランスの乱れが感情に直結する
産後は、妊娠中に増えていた女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が一気に減少します。これにより、自律神経のバランスが崩れ、情緒不安定になりやすくなります。
「ちょっとしたことで泣く」「些細なことで怒る」のは、妻の性格の問題ではなく、ホルモンによる影響が大きいのです。
妻の怒りやすさを加速させる要因
実際に私が経験した中で、妻が特に怒りやすくなるのは次のような状況でした。
- パパが寝ているとき
→ 娘をほっておいて寝ているのは何事だ、という怒り。 - 家事や育児のやり方に差があるとき
→ ミルクの作り方や洗濯の仕方に口出しされやすい。 - 言葉の選び方を間違えたとき
→ 「手伝うね」と言うと「手伝うじゃない、共同作業!」と怒られる。
ガルガル期とは?母親の本能的な防衛モード
産後の妻は「ガルガル期」と呼ばれる時期に入ることがあります。これは赤ちゃんを守るために本能的に警戒心が強まり、夫や周囲に対して攻撃的・神経質になりやすい状態のことです。
赤ちゃんを抱っこしているときに「雑!」と注意されたり、義両親に過敏に反応したり、夫の行動にイライラするのも珍しくありません。これは性格ではなく本能。パパは「拒絶されている」と受け取らず「守りモードなんだ」と理解することが大切です。
我が家のガルガル期エピソード
我が家のガルガル期はおよそ3か月ほど続きました。妻は妊娠中からお腹の子に向き合っており、すでに母親としての心構えができています。一方、私は生まれてから初めて「子育て」を実感することになりました。その差もあり、妻は赤ちゃんを守る一心で、私の対応に強くイライラしていました。
妻の実家から戻った後が特に大変で、常にイライラされ、あたりがきつかったです。妻はいつも険しい顔をしていました。また、どこがイライラや怒るポイントがわからず苦労しました。この時期、私は常に妻の言動にビクビクしていたことを覚えています。
娘が生まれて2か月後、結婚記念日に夫婦二人で外食に行ったのですが、その際に日頃の妻の態度に私が限界を迎え「何とかならないか」と話し合ったことを覚えています。本当にしんどく、二度と経験したくないと思うほどでした。
ただ、その後妻も自身の行動を少しずつ見直し、時間をかけて徐々に改善されていきました。ガルガル期は永遠には続かず、夫婦で歩み寄ることで必ず乗り越えられると実感しました。
パパができること
- 睡眠時間をどう確保するか一緒に考える
我が家では「昼は妻、夜は私」という分業で乗り切りました。 - 家事・育児のやり方をすり合わせる
方法を確認してから動くと衝突が減ります。 - 言葉は“手伝う”より“やるね”
主体性を見せるだけで妻の気持ちは和らぎます。 - ガルガル期は一時的なものと心得る
個人差はありますが数週間〜数か月で落ち着くケースが多いようです。
どうしても伝えなければならないことは言葉にする
妻もつらい、でも自分もつらい――その思いをぶつけると「どちらが大変か」の議論になりがちです。ですから基本的には比べない方がいい。けれども、どうしても伝えないと心が折れてしまうときは、正直に言葉にすることも必要です。
私自身、当時は120%頑張っている自負がありました。それなのに厳しい言葉を浴びせられると「もう頑張れない」と心が折れそうになることもありました。その気持ちを切実に妻に投げかけました。
妻も全力です。そして夫も全力で支える必要があります。やがて力を少し緩められる時期が必ず来ます。それまでは「共倒れしないために、夫婦で全力」を合言葉に乗り切ることが大切です。
まとめ
産後の妻が怒りやすいのは、出産のダメージ、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足や不公平感、そして「ガルガル期」という母性本能が重なるからです。
パパができるのは「理解」と「分担」と「共感」。理不尽に感じることも多いですが、「産後はそういうもの」と覚悟して寄り添うことが、夫婦の関係を守る第一歩だと思います。

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