信用収縮の次に来るもの
──相場が落ち着き始めるときに見える4つの変化
はじめに|「いつが底か?」より大事なこと
相場が急落すると、
- まだ下がるのか?
- 今は触らない方がいいのか?
- いつ戻るのか?
と不安になります。
でも、底を正確に当てることはほぼ不可能です。
だから私が見ているのは、
「底」ではなく
“落ち着き始めたサイン”
です。
では、そのサインはどこに現れるのか。
① 悪いニュースが出ても、あまり下がらなくなる
信用収縮の真っただ中では、
- 悪い決算
- 倒産のニュース
- 景気悪化の報道
が出るたびに市場は過剰に反応します。
なぜか。
まだ「売りたい人」が大量に残っているからです。
恐怖の連鎖が続いている間は、
ニュースは“売る理由”になります。
しかしある瞬間から、
- 下がらない
- すぐ戻る
- 反応が鈍い
という状態になります。
これは、
売る人がほぼ売り切ったサイン
であることが多い。
市場はニュースで動くのではなく、
売り圧力で動くのです。
② 値動きが静かになってくる
信用収縮のピークでは、
- 毎日大きく動く
- 上下に激しく振れる
- 方向感がない
という荒れた相場になります。
これは、
- 強制的な売り
- 焦りの売り
- 投げ売り
が混在しているからです。
しかし売りが一巡すると、
- 下落のスピードが鈍る
- 値幅が小さくなる
- 相場が静かになる
という変化が出てきます。
恐怖が最大のときは荒れ、
恐怖が疲れてくると、
市場も落ち着いてきます。
③ 中央銀行の「言い方」が変わる
ここが意外と重要です。
信用収縮の初期は、
- 「インフレを抑える」
- 「引き締めを続ける」
- 「まだ十分ではない」
といった強い言葉が並びます。
なぜなら、
中央銀行はまず物価を抑えることを優先するからです。
しかし景気が悪化し始めると、
少しずつ言い方が変わります。
- 「経済への影響を注視する」
- 「必要なら対応する」
- 「柔軟に判断する」
この変化は、
インフレ最優先 → 景気も気にする
という方向転換を意味します。
実際の利下げよりも前に、
“トーンの変化”が出ることが多い。
市場は、このニュアンスに敏感に反応します。
政策そのものより、
「姿勢の変化」に注目します。
④ お金の流れが変わり始める
信用収縮の初動では、
- 株も売られる
- 金も売られる
- とにかく現金化
という動きになります。
なぜか。
価値よりも流動性が優先されるからです。
しかし時間が経つと、
- 株は弱いまま
- ゴールドだけ戻る
といった変化が出てくることがあります。
これは、
市場が「景気」より「信用」や「通貨」を意識し始めた
サインかもしれません。
価格だけでなく、
資金の流れの変化を見ることが大切です。
⑤ インフレはどうなるのか?
信用収縮が起きると、
- 消費が冷える
- 投資が止まる
- 需要が減る
ため、本来は
インフレは収まる方向に向かいます。
これは自然な流れです。
ただし、
- エネルギー
- 食料
- 人件費
など供給側の問題が残っていると、
インフレ率は下がっても
体感物価はすぐに下がらない
という状態になります。
だから、
- 短期では現金が強い
- しかし長期では現金も万能ではない
現金は退避場所であり、
永住地ではありません。
おわりに|恐怖の中で観察できるか
信用収縮は怖い。
でも、それは永遠ではありません。
落ち着き始めるときには、
- 悪材料に反応しなくなる
- 値動きが静かになる
- 中央銀行の言い方が変わる
- お金の流れが変わる
こうした変化が出てきます。
大事なのは、
底を当てることではなく
サインを見て、少しずつ戻ること
恐怖の中で観察できる人だけが、
次の波に乗ります。

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