信用収縮が起きると、各資産はどう動いてきたか
──インフレは本当に続くのか?過去の振り返りと個人の備え方
はじめに|「信用収縮」という言葉が現実味を帯びてきた
最近の相場を見ていると、
「信用収縮」という言葉を目にする機会が増えてきました。
- 株が大きく下がる
- 商品や暗号資産も同時に売られる
- 安全と言われていた資産まで値を下げる
こうした動きを見ると、不安になります。
ただ、ここで大切なのは、
これから何が起きるかを当てること
ではなく
過去に信用収縮が起きた局面で、資産がどう動いてきたかを知ること
です。
信用収縮とは、何が起きている状態か
信用収縮とは、簡単に言うと
お金が足りなくなり、強制的にポジションが解消される状態
です。
具体的には、
- レバレッジ取引の解消
- マージンコール(追証)
- 借金返済の優先
- 流動性確保のための売却
が連鎖的に起こります。
この局面では、
「良い資産かどうか」より
「すぐ売れるかどうか」
が最優先されます。
過去の信用収縮局面で、資産はどう動いてきたか
ここからは、細かい数字ではなく
動きの順番に注目します。
株式|まず最初に売られる
信用収縮局面では、株式が最初に売られやすくなります。
理由は単純で、
- 流動性が高い
- 即現金化できる
- レバレッジ取引が多い
からです。
企業の価値とは関係なく、
「売れるから売られる」
という動きになります。
不動産|すぐには動かないが、後から効いてくる
不動産は、
- すぐに売れない
- 価格が見えにくい
という特性があります。
そのため、信用収縮の初動では
あまり動きません。
ただし、
- 資金繰りの悪化
- 金利上昇
- 買い手の減少
といった影響が、
時間差で効いてきます。
ゴールド|初動は売られることもあるが、その後が違う
ゴールドは「安全資産」と言われますが、
信用収縮の初動では売られることがあります。
理由は、
- 含み益がある
- 現金化しやすい
ため、まず換金されやすいからです。
ただしその後は、
信用不安が強まる局面で、
相対的に回復しやすい
という特徴があります。
シルバー|ボラティリティが高く、初動はより弱い
シルバーは、
- ゴールドより値動きが大きい
- 工業用途の影響を受ける
ため、信用収縮の初動では
より大きく下がることがあります。
一方で、
- 需給が逼迫している
- 実需が存在する
場合には、
戻りも大きくなる傾向があります。
現金|信用収縮局面では一時的に最強
信用収縮局面で最も強いのは、
やはり 現金 です。
- 借金返済
- 追証対応
- 生活防衛
あらゆる場面で必要とされます。
結果として、
現金を持っているだけで有利
という状況が、一時的に生まれます。
では、信用収縮が起きるとインフレはどうなるのか
ここでよく出てくる疑問があります。
信用収縮が起きたら、インフレは続くのか?
結論から言うと、
多くの場合、信用収縮が起きるとインフレは収まる方向に向かいます。
これは自然な話です。
信用収縮では、
- 消費が冷える
- 投資が止まる
- 需要が減る
ため、インフレ圧力は弱まります。
「インフレは収まる方向だと思っていた」
という感覚は、過去の多くのケースでは正しいです。
それでも「今回はややこしい」と言われる理由
今回が少し難しいのは、
信用収縮の前に、すでにインフレが進んでいた 点です。
- エネルギー価格
- 食料
- 人件費
といった 供給側の要因 で、
インフレが先に起きていました。
そのため、
- 信用収縮で需要は冷える
- ただし、物価はすぐには下がらない
という状態になりやすい。
つまり、
インフレ率は下がるが、
体感的な物価高は残りやすい
という局面です。
現金化はリスクなのか?
この流れで、
「現金化すること自体がリスクでは?」
と感じる人もいると思います。
これも 時間軸で分ける と整理できます。
- 短期(信用収縮の初動)
→ 現金は必要不可欠 - 中長期(インフレが残る場合)
→ 現金の購買力は低下
つまり、
現金はゴールではなく、中継点
です。
一時的に退避するためには強いが、
長く持ち続ける前提の資産ではありません。
個人投資家として、どう備えるか
信用収縮を正確に予測することはできません。
ですが、
起きたときにどう考えるか
は、事前に決められます。
- 想定シナリオと照らし合わせる
- 優位性が下がったらポジションを減らす
- ボラティリティが許容できなければ縮小する
- 一時的に現金比率を高める
これは、
「相場急変時にやること・やらないこと」
という考え方と直結します。
おわりに|一番のリスクは「想定していないこと」
信用収縮そのものより、
一番のリスクは
こんな動きは想定していなかった
という状態です。
過去を振り返り、
- 何が最初に売られるか
- 何が最後に残りやすいか
- インフレはどう動きやすいか
を知っておくだけで、
相場への向き合い方はかなり楽になります。
相場は荒れることがあります。
でも、準備があれば慌てる必要はありません。

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